いつだったか
あしをくじいたきみをおぼり
うらがえるなみをしてたっていた
だんぼーるのやまにへびがでた
きみはうしろかみをまとめ
ていえんにさくのをわすれ
おれはまばたきもわすれて
あしたにはうまれもわすれて

かたちにこだわり
きえるのをただもつあいだに
つながっていられるのか
ひめいにたより
でんきがいをむさぼるだけで
ねつびょうはなおるか
すれたきみのいのちのかげで
むくわれたこいはまたほとばしる
こえきったふなのように

いつだったか
うつふせにおおいかぶさったつき
かぜふくまちでさめたぞうすいをかたむけ
ばかをつかまえてわらう
ひとばんちゅうふきすさむおうとうのかぜに
きせつはしょっぴんぐかーとに
おきわすれたままはしりだす
ぜっちょうにさいなまれちっていったやくしゃの
ぽすたーなんかはるな
おれはまばたきをわすれ
まけつつけしまいには
ふさがれたまんほーるにあたまをうって
ぐっすりとねむりについてしまった
いつだってきみがこいしい
こいしくてたまらない
たまらないよるにもなれて
おれははなやぎをもとめ
でんきがいにむさぼりつくへびさ

こするたきみのささやかなちぶさちぶさにいだかれ
だまりこむおれはいまほとばしる
こえきったふなのように
いのちのかげにむくわれたきみがいた
ほとばしるほとばしる

らいねんはきみと
えんてんのひにはこどもたちもつれて
きみはずっとへびにおびえて
こどもらはみずあそび
はしぎまわるけど
おれはまばたきをわすれ
えんてんにきみをながめていた

Composição: Jiro Yanase